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Vol.003 - 2010年10月04日

地球環境の変化でしょうか、アジアにおいてもミヤンマーの巨大サイクロンや、中国での大規模地震災害、また日本では、社会構造のゆがみでしょうか、硫化水素の自殺の連鎖、前途ある若い女性の連続しておこる殺人事件、毎日のニュースをみていますと、人類、また日本人はどうなってしまったのだろうと考えさせられることが多くあります。都会の街を歩いていても、道行く人々の表情が最近険しくなったと感じるのは私だけでしょうか。昔、こころのそこから笑いがおこり、人々の間に笑顔が満ち溢れていた時代はとりもどせないものなのか….と考えてしまいます。
海南病院では、癒しの療養環境づくりとして、さまざまな取り組みをしてきておりますが、ハード面の整備もさることながら、ソフト面での取り組みが、これからますます求められていくものと考えます。厳しい医療現場ですが、笑いは、健康にとてもいい作用をおこしてくれます。ある研究によりますと、「寄席」の前後で中性脂肪を測定してみると低下作用がみられたそうです。日本笑い学会や癒しの環境研究会といった全国研究会も組織されて、検討もされておりますが、笑いは、ストレスから開放され、身体の血流改善や、ひいては免疫能を高める効果も期待できそうです。
先日、東京で活躍中のイラストレーターの村岡賢一さんを招いて、海南病院で似顔絵セラピーを開催していただきました(5月16日の中日新聞、尾張版にも紹介いただいたので記事をお読みいただいた方もみえるかと存じますが)。
彼は、似顔絵には、「笑いの空間」や「形に残る思い出」を作る力があると述べ、似顔絵を書く行為をつうじて、笑いを引き出し、素晴らしいコニュニケーションを生み出していきます。実際、病棟で似顔絵セラピーをしていただき、患者さんの顔つきが画く時間とともに笑みがみられ、完成した瞬間の笑顔は素敵でした。
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